白馬にまたがった顔はガイコツのおそろしい死神が、静かに戦場を進んでいく様子が描かれています。「死神」という言葉の影響で、カードも不吉でおそろしい絵柄に見えるかもしれませんが、死は決して忌むべきものではありません。遠くに太陽が昇る風景が描かれていることもあって、夜が明ければ朝が来るように、死を越えた先に、はじまりがあることを示しています。終わりの先の新たなはじまりを表した前向きなカードです。
「死神」の位置づけと基本的な読み方
「死神」のカードは、肉体の死や人生の終わりではなく、精神や他人との関係性、環境の一新、または入れ替えを表しています。次の段階への区切り、新しい未来の暗示とも言えるでしょう。失う現状にこだわりすぎると、新しい次のステージに進めなくなってしまいます。あるがままに受け入れましょう。
位置別の「死神」の読み方
正位置では、変化を受け入れて次のステージへ進む心の準備ができている状態を、逆位置では、現状にしがみつき先に進めない状態を示しています。位置によってそれぞれどんな意味になるかをみていきましょう。
「死神」が「過去」で出た場合
「死神」が正位置
かつては、ここが切り替えのタイミングという人生の岐路でした。もし、そのターニングポイントを逃したとしても、それもまた世の摂理なのです。大きな流れのただ中にいる私たちには、どうしようもないことだったかもしれません。気に病まずにまたの機会をねらいましょう。
「死神」が逆位置
少し前までは、納得できない結果に未練がましい思いを抱いていたかもしれません。停滞した運気の中、それでもまだ起死回生をねらっていたのでは。決心できない事情もあったかもしれませんが、未練がましく往生際が悪い状況でした。
「死神」が「現在」で出た場合
「死神」が正位置
なにかが終わり、誰かと別れを迎える時かもしれません。けれど、それは次のステージへと変化しているだけ。人生の切り替わりのタイミングです。あなたの心もどこかスッキリしているはず。その感覚を信じて、今は前に進みましょう。
「死神」が逆位置
変わりゆく状況についていけません。終わりゆく物事に気持ちの整理がつけられず、どうにかして現状を引き延ばそうとしているでしょう。あまりに往生際が悪いと、この停滞した運気も長引かす要因になりかねませんよ。覚悟を決めましょう。
「死神」が「未来」で出た場合
「死神」が正位置
今までの関係やしがらみが強制的にリセットされ、その突然の変化に生活がガラッと変わるでしょう。あなたが思い描いた未来ではないかもしれませんが、新たなはじまりに向かって、まるで生まれ変わったかのように前に進んで行けるでしょう。人生の再スタートの時です。
「死神」が逆位置
長年続けていた自分なりのやり方を変えられず、なかなか悪い流れを断ち切れません。もうすでに、諦めなければいけない状況になっているものの、その状況を受け止めきれないのでしょう。それゆえに苦労はかなり長引いています。後味の悪い終わり方になる前に引き際を考えて。
「死神」が「障害/問題」で出た場合
「死神」が正位置
問題の原因として考えられるとしたら、突然すぎて心の準備ができていなかったり、物事には白か黒かで判別しきれないことがあると許容できなかったりしたことが考えられます。しかし、このカードが出た場合は、「なるべくして起こったことで特に理由がない」ということもあるので、一概には言えません。仕方ないとあきらめてもOKです。
「死神」が逆位置
何度もよみがえる記憶のせいで前に進めないことが、問題の原因かもしれません。諦めが悪くなっていて、現状をまともに認めることすら困難になってはいませんか?踏み切る勇気をもつことで、今後の展開を変えることもできるかも。大変かもしれないけど、がんばって。
「死神」が「結果」で出た場合
「死神」が正位置
ひっそり会うような関係、割り切った関係になってしまう可能性があります。できれば、縁をきって関係を解消するのが望ましいでしょう。お相手のことはきっぱりと振り切って、次の恋に進んでください。仕事では、転勤、転職、異動など人生の岐路になります。
「死神」が逆位置
「諦めたくない」「この縁を切りたくない」という気持ちにいたりそうです。復縁や再婚に至るかもしれません。同じことの繰り返しにならないように、お互いの努力が必要です。また、好きなのに口にできない特殊な状況になることも。仕事では、再就職・再雇用が決まるなどしそうです。
「死神」が「助言/対策」で出た場合
「死神」が正位置
新しい何かがはじまる時だと信じて、今あるものは思い切ってリセットしましょう。この機会に、生まれ変わる気持ちで再スタートするのがおすすめです。潔く切り替えて。また、もし今の状態で足を引っぱる何かがあるならば、切り捨てる勇気も必要です。
「死神」が逆位置
未練がましさや往生際の悪さは、自分自身を苦しめるだけです。うじうじとその場にとどまっても、何も変わらないことに早く気づくことが重要。古い殻は全部とっぱらって、新しい自分に生まれ変わるチャンスですよ。自分を客観的に見て、キレイな引き際を意識して。
まとめ
私たちはどうしても「死」を恐れ忌むべきものと考えてしまいがちですが、近しい人の死を乗り越えた人ほど、死を”救い”と考えたり、”旅立ち”と受け止めたりしているように感じます。そう、この「死神」のカードも新たな転機を教えてくれるカードです。怖がらずに自分を信じて前に進んで行きましょう。大丈夫、あなたの進む先には次のステージが用意されています。