手前に積まれた8つのカップを背に、その場から背を向けて離れようとしている男性が描かれています。
8つのカップは倒れたり壊れたりしておらず、きれいに積み上がっているのに、二段目は1つ抜けたようにぽっかり空間が…。
どうしても次のカップが見つからずその場を去る様子、次のカップを探しに歩み出す様子とどちらの意味にも捉えることができます。
これまでにやってきた努力や投資を中断して失望感を感じていると読み取ることもできますが、赤い服や靴は「情熱」を意味していると考えると、それだけではないかもしれません。
杖をつき険しい自然に立ち向かう姿は、現在の状況に見切りをつけ、新しい目標に向けて進んでいくことを暗示しているのでしょう。
終わりを迎え、再び新しい道に旅立つそんな大きな変化を意味するカードです。
「カップの8」の位置づけと基本的な読み方
カップは人の情感をあらわす象徴的なカードです。8番目のこのカードは、新しい愛の形を求めて次へと踏み出そうとする、現状への区切りを意味します。
男性を見守るように空に浮かぶ月は、物事の衰退を、目に見える山は試練を象徴するものです。
これまでのことから離れるという視点からは、特に精神面において距離がとられる様子、興味が薄れる状態を暗示するものともいえるでしょう。
三日月と満月が重なって描かれているのは月の持つ二面性。その場から去ってはいるけど、まだカップに未練があるという意味も考えられます。
位置別の「カップの8」の読み方
ずっと取り組んできたことがピークを迎え、区切りを迎えようとしています。その背景には、興味や意欲の低下、ものごとの衰退、逃避、放棄など、現状に疲れて立ち去るちょっとネガティブな印象かも。
新たに別の道を進むのか、もう一度同じことに再挑戦するのかを、カードの正位置、逆位置で判断していきましょう。
「カップの8」が「過去」で出た場合
「カップの8」が正位置
かつては、それまでしてきたことをあきらめて、新しく他のことに心変わりをしたのではないでしょうか。
「なんとなく満たされない気持ちを抱えている」と自覚が芽生え、次第に興味も意欲もなくなっていったのでは。
でもそれは間違いではありません。それ以上続けていたとしても、もうどうしようもない状態でした。次のステップに移り変わるタイミングだったともいえます。
「カップの8」が逆位置
それまでは、もう一度だけやってみようというやる気が生まれ、覚悟もできて、チャレンジ精神が湧き上がってくるような時期でした。
再チャンスの到来といえる良い運気だったでしょう。手放したものをあらためてよく考えてみると、そのときには気づかなかった何かに気づけたかも。
もし、気づくことができなかったとしたら、もともとダメかもしれないと自分に自信が持てなかったせいかもしれません。
「カップの8」が「現在」で出た場合
「カップの8」が正位置
何かが終わりを迎え、もうすでにやる気や熱量のピークが過ぎた状態でしょう。他のものに心変わりをしているなどあるかもしれません。
ものごとが大きく移り変わるタイミング。精神的にも、もう離れたくなったり、興味がうすれてしまったりしそうです。
また、問題の本質を見極めるような時期。何が正解か何が間違いかを探しましょう。
「カップの8」が逆位置
手放したものや、既に終わったできごとをあらためて振り返る時期です。自然と、過去にあった出来事とつながるような場面に出くわすかもしれません。
そのときはたとえ残念に終わったことだったとしても、今度は同じような結果にはならないでしょう。過去を振り返る中からヒントを得て、もう一度再スタートをきるときです。
時間をおいたことで、よい運気が戻ってきます。もう一度挑戦してみましょう。
「カップの8」が「未来」で出た場合
「カップの8」が正位置
今後は、失敗や挫折した過去を捨て去り、新しい道へと進んでいけるでしょう。過去のしがらみはきれいに捨て去ることができ、次へと進める前向きな気持ちになれそうです。
今まで取り組んだことのないジャンルに方向転換するでしょう。
実際に旅に出るか、手段はまた別として、自分探しの旅に出ることになるかもしれません。
「カップの8」が逆位置
過去にあったできごとの問題点や真意に気づきます。そのときつらく悲しい思いをしていたとしても、それには意味があったと実感できるでしょう。
そうして、一度あきらめていたことにまた再び挑戦することになりそうです。それまでの考えや行動とは180度違うふるまいに、自分でも驚くかもしれません。
まるで、新しい自分に出会えたような感覚になるでしょう。
「カップの8」が「障害/問題」で出た場合
「カップの8」が正位置
「なんとなく面倒そうだな…」ということから逃げだした事実が、後々問題になりそうです。また、苦労してせっかく手に入れたものがそんなに良いものではないことに気づいてしまうでしょう。
まるで夢から覚めてしまったかのような意識の変化が、問題の原因となっている可能性もあります。その変化は一時的な気の迷いではありません。起こるべくして起こった問題でしょう。
「カップの8」が逆位置
自分では納得できない、喜べない話が進み出していることが、問題の原因となっているでしょう。小さな違和感をずっと感じていたはずです。
自分の気持ちをもう一度確認し、変更できる点はないか検討してみましょう。
「どうせうまくいきっこない」とダメ元で考えていたことも、よくない結果を招いていたかもしれません。
「カップの8」が「結果」で出た場合
「カップの8」が正位置
最終的には、今の関係を捨てて別れる決意をするでしょう。ずっと捨てきれなかった相手への情や未練を断ち切ることができそうです。
長い付き合いでない相手でも、急に心変わりをすることがあるでしょう。ふと立ち止まってみて、「それほど魅力を感じない人だったな」と思うこともあるかもしれません。
仕事面では、社内で改革が起こり世代交代の時期に入りそうです。成果の出ていないプロジェクトには見切りをつけましょう。
「カップの8」が逆位置
今まではわからなかった相手の魅力を見つけて惚れ直すでしょう。相手の悪い面ばかり見るのをやめて、いつもと違うシチュエーションで会ってみると良いかも。
また、もう無理だとあきらめかけていた恋に、もう一度挑戦してみることが良い結果を呼びそうです。ケンカをしていたり、別れ話をしていたりした場合は、急に事態が好転するかもしれません。
別れを引き止められる可能性もあります。仕事面では、利益が望めないと思っていたことに価値が生まれるでしょう。最初はダメ元でも交渉を仕掛けることが大切です。
「カップの8」が「助言」で出た場合
「カップの8」が正位置
今まで悩んでいたことやうまくいっていない人間関係など、重荷に感じているものをきちんと見分け自ら手放すことが必要です。
自分の内面と向き合う時間を大切にし、必要なもの不要なもの、好きなもの嫌いなものを自分なりに整理しましょう。
そうすることで次の成長段階に進めそうです。ひるむことなく前に進んでいきましょう。
「カップの8」が逆位置
今抱えているものをあきらめたくなっているかもしれません。でも、まだ時期尚早です。まだまだ試してみていないことがあるのでは。
失うことを恐れずに、当たって砕けろの精神でもう一度挑戦してみましょう。
今までの視点とは違う角度から物事を見てみることが鍵になります。新たな問題点や、改善できる点など見つけられて、事態は好転するでしょう。
まとめ
カップの8は、ものごとの区切りがつき、再び歩みを進めるという意味があります。もう一度挑戦するべきなのか、新たなことに挑戦するべきなのかは、カードの正位置・逆位置で読み取りましょう。
ものごとを惰性でなんとなく続けていても、先に進めない場面はあるものです。まるで沼にはまったように感じ、その原因や対処法がわからず長い間先に進めないことも少なくありません。
そんなときに潔くあきらめて、前に進んでいく方法をこのカードは教えてくれます。撤退にしろ、挑戦にしろ、カードに描かれた人は歩みを進めているでしょう。
心配しなくても、あなたも同じように進んでいけますよ。