楕円形の緑のリースの中に描かれているのは、裸で舞い踊る人。
一見女性のように見えますが、両性具有者で、神さまと同一化した様を暗示するものです。
リースは世界の始まりといわれる「宇宙卵」を指し、リースの上下に赤いリボンがかかっていて∞(無限大)のマークが。
踊る人が両手に持っている棍棒は、相反する2つのものを自分の中に統合して完全なる世界をつくったことを意味しています。
なお、上のライダー版のモデルの人物は、作画の方が所属していた団体である黄金の夜明け団で、絶世の美女であったフロレンス・ファーという説もあります。
「世界(ワールド)」の位置づけと基本的な読み方
このカードが示すのは「長い時間をかけた末に、完成された世界」です。
やっとたどりついた先に見える世界を、満ち足りた状態や、喜び、幸福感をもってその身で感じていることを表しています。
これまでの努力が報われる最高の結果が期待できるでしょう。
位置別の 「世界(ワールド)」の読み方
完成やゴールにたどり着いた先に、「達成感や満足感を得られるかどうか」「完成したものの不満足な結果に終わってしまうか」が正位置・逆位置で判断されます。
位置ごとの意味を1つ1つ見ていきましょう。
「世界」が「過去」で出た場合
「世界」が正位置
かつては、高度な集中状態で1つのことに没頭できている状態でした。
これ以上ないくらい最高の運気で、満足いく結果が得られたのではないでしょうか。
自己肯定感もあがって、それまでの自分に満足いっている状態だったはずです。
「世界」が逆位置
それまでは、全力を出せずに後悔したり、つめが甘く中途半端に終わってしまったりしていたかもしれません。
よくも悪くもないスランプ状態が続いていたのではないでしょうか。
ビジョンが思い描けず、やる気や根性が足りないことが原因だったかもしれません。
「世界」が「現在」で出た場合
「世界」が正位置
絶好調の運気です。最高の結果が出せるでしょう。
「これまでのことは、すべてこのためにあったんだ」という納得できる出来事があって、今までの自分のがんばりに満足感を覚える場面がでてきます。
周囲の人がうらやむほどの幸せを手にできるでしょう。
「世界」が逆位置
悪くはないが、良い状態でもないという不完全燃焼のモヤモヤした運気です。
まわりの様子やその視線が気になって、充分な実力を発揮できません。
周囲の期待に応えられないと焦りや不安もでてくるでしょう。
未完成な状態のまま、迷走してしまうかもしれません。
「世界」が「未来」で出た場合
「世界」が正位置
ずっと願ってやまなかった目標を達成できたり、これまで継続してきたことの集大成になるようなものが出てきたりするでしょう。
最高のハッピーエンドを迎えられて、夢をかなえられる運気です。達成感、満足感が得られるでしょう。
「世界」が逆位置
予定や目標をはるかに下回る結果になり、不満足な最終結果で終わりそうです。
肩透かしな出来事があって、「もういいや」と途中で投げやりな心境にもなってしまうでしょう。
また、一生懸命になりすぎて、結果的にやりすぎてしまったことによる弊害も考えられます。
「世界」が「障害/問題」で出た場合
「世界」が正位置
問題が起こっているとしたら、目の前のことに没頭しすぎてまわりのことを気にかけない態度や、自己満足で終わってしまっている行動が考えられます。
何事もやりすぎはよくありません。
努力の仕方を間違って、自己陶酔的で独断的な対応をしていないか自分自身を振りかえってみましょう。
「世界」が逆位置
最後までやり遂げるパワーがないこと、いざとなったら放り出せばいいやという根性のなさが、問題の原因になっていそうです。
少し先のビジョンが不鮮明なのもよくないでしょう。
なんのために、今がんばっているのかをもう一度考えてみて。
また、重要な問題は先にやってしまった方がいいです。
「世界」が「結果」で出た場合
「世界」が正位置
相手との尊敬と信頼があふれ出る、相思相愛の関係です。
お互いに実りある恋と感じられるので、自然と長い付き合いになります。
周囲からも祝福される幸せな結婚にいたるでしょう。
仕事面では、順調に事が運び、結果はどうであれ心からの達成感を感じることができます。
やりきったからこそ、次のステップを考えるきっかけにもなるかもしれません。
「世界」が逆位置
一緒にいるのが当たり前すぎて、なかなか結婚に進まない関係になりそうです。
宙ぶらりんな今の状況に、マンネリを感じて相手へのありがたみも感じられなくなるかもしれません。
本当にどうでも良くなる前に何か対策を練ったほうがいいでしょう。
仕事面では、目標を達成する前にある程度満足してしまい、今一つやる気がでません。慢心に注意。
「世界」が「助言/対策」で出た場合
「世界」が正位置
まずは、挑戦することに意義があると思って取り組みましょう。
結果よりもそこ至るプロセスから得る学びのほうが多いはずです。
最後まで、このままマイペースで進めて行けばOK。
応援してくれる人の存在に気づいていますか?
その人の言葉を信じて、喜びも悲しみも分かち合うといいでしょう。
「世界」が逆位置
自分の使命は何なのか明確にすることが先決です。
その軸を大事にして、周囲の人の声に惑わされないようにしましょう。
大きな目標を決めることは大事ですが、小さなことを1つ1つこなせるように、小さなステップを設定するといいです。最後まで迷わず走り抜けて。
まとめ
「世界」は大アルカナの最後のカード。
基本キーワードは「完成」です。大アルカナの22枚は、人間の成長を描いているともいわれています。
とはいえ、ここで完結!というわけではなく、さらなる大きな目標に向けて次のステップに行く前段階かもしれません。
次のステージに行くまで、つかの間の喜びや幸せを感じられるときでしょう。