カードの中央には、可憐に咲いた花いっぱいのカップと、カップを抱えその花を見て喜ぶ子供たちが描かれています。
この子供たちは、純粋無垢な幼少期の自分の姿の象徴でしょう。
楽しいときは笑い、悲しいときは泣く。そんなふうに、素直に感情表現をしていた頃の本来の自分を取り戻すこと。
過去の出来事から、その先の自分の適正や方向性を再確認するようなことを表すカードです。
この過去の振り返りや軌道修正は人にとって、とても重要なプロセス。
あなたの中に眠る、忘れていたあたたかな思い出や人格形成の基盤となるようなできごとを振り返ることがきっかけで、今のあなたに気づきと成長をもたらすことになるでしょう。
「カップの6」の位置づけと基本的な読み方
このカードには、過去の愛を実感するという意味が描かれています。
思い出を振り返り、昔を懐かしむことで、その当時はわからなかった大切なものの意味を痛感するでしょう。
また、カップ(聖杯)は、そもそも人の心を象徴するものです。カップの数札の中では6番目のこのカードからは、2つのものごとに対しての「葛藤」という、揺れ動く心の機微を意味します。
自分の心がバランスをしっかりとれているかどうか、美徳と悪徳のどちらのサイドに心が動かされているかを感じることにも注目してみましょう。
位置別の「カップの6」の読み方
カードの正位置・逆位置によって、過去の経験から何を学び、どのように生かすべきかを暗示しています。
正位置では、懐かしい気持ちがあなたを温かく包んでくれる様子を、逆位置では、過去の失敗を引きずり前に進めない様子が読み取れます。
「カップの6」が「過去」で出た場合
「カップの6」が正位置
かつては、故郷や昔なつかしいものへの感傷に浸りがちだったかもしれません。
ふとした瞬間に、ノスタルジックな思いに胸をあたたかくさせていたのにも理由があります。
子どものころの記憶に立ち返ることで、精神的な安定を図っていたのでしょう。
また、過去を振り返り、あなたにとっての幸せな家庭像を、あらためて模索する段階だったともいえます。
「カップの6」が逆位置
これまでは、何かに執着したり、すがりついていたりしていたかもしれません。
どちらかと言うと、前に進めない停滞している状況だったでしょう。人への依存心、過去への執着がそんな状況を作り出していたのかもしれません。
わりきって物事を見極められなかったことも、ずるずると同じ状況にとどまってしまった原因でしょう。
「カップの6」が「現在」で出た場合
「カップの6」が正位置
ふとした瞬間に過去の思い出が蘇るときです。「あの時のこの場面はそういうことだったのか…」と急に理解できることがあるかもしれません。
幼少期や思春期の、純粋で無垢な気持ちを思い出す場面が多い状況でしょう。
もしくは、まるで子供のような無邪気さでものごとに取り組んでいけます。どちらにしても、優しい記憶で心があたたまるでしょう。
「カップの6」が逆位置
過ぎ去った過去に執着し、現実の問題に向き合いきれません。なかなか成長できずに停滞している運気です。
人への依存、甘えなどが多くなり、何かにすがりついているような状況でしょう。
あの時こうなったからとか、あの時こうしていればとか、昔のことばかり思いだして先に進めない状況も暗示しています。あの時こうなったからとか、あの時こうしていればとか、昔のことばかり思いだして先に進めない状況も安定しています。
「カップの6」が「未来」で出た場合
「カップの6」が正位置
打算のない純粋な恋に落ちる暗示が出ています。まるで少女のように、ピュアな気持ちで相手に思いを募らせます。
恋に恋しているような、ウキウキふわふわした感じ。これは恋愛に限らず、どんなことに対してもいえることで、新鮮な気持ちで物事に取り組めるようになるでしょう。
懐かしい相手と再会したり、プレゼントを贈り合う関係になったりという暗示もあります。
「カップの6」が逆位置
気がついたら同じことを繰り返している状況に陥りそうです。本来の目的がなんなのか自分でもよくわからなくなってしまうこともあるでしょう。
自分では意図していなくても、過去にあった出来事に似たようなシチュエーションで、同じような問題にぶち当たる可能性もあります。過去の自分に引き戻されるような感覚になるでしょう。
「カップの6」が「障害/問題」で出た場合
「カップの6」が正位置
何か大切なことを忘れているのではないでしょうか。その失念してしまっていることが、この問題の大きな原因になっている可能性があります。
もしくは、うまくいくように駆け引きをしすぎて、打算だらけになっていないかが問題になるでしょう。
自分の言動をなるべく客観的に、よく振り返ってみて。家族との関係についても注意が必要です。
「カップの6」が逆位置
あなたの中に、清算できていない過去があることが問題になっているかもしれません。人に頼り切っていて、自分の足で立てていない部分はありませんか?
自分は自分、人は人と、わりきってものごとに当たれないのであれば、心の奥にぬぐいきれない依存心が眠っているのでしょう。自分の弱さと向き合うべきときかもしれません。
「カップの6」が「結果」で出た場合
「カップの6」が正位置
初恋のような甘酸っぱい恋に落ちる結果が現れています。見返りを求めるのではなく、自分から相手のためにと考えて行動できそうです。
元恋人とも何らかの縁がありそうです。必ずしも復縁するというわけではなく、過去のしこりを消す機会になるでしょう。
前に仕事面では、アットホームな職場に縁があったり、過去の経験、ご縁がいかされたりする場面がありそうです。原点に立ち返るような、その状況になった意味を感じるかも。
「カップの6」が逆位置
どうしても過去の出来事を引きずってしまいそうです。そうすると、せっかくの新たな出会いに気づけないでしょう。
また今のままでいくと、お互いに傷をなめ合うだけの関係になったり、一方的に利用される関係になったりして抜け出せなくなってしまうかも。
仕事面では、昔ながらの方法にこだわりすぎると同じ失敗を繰り返してしまうでしょう。失敗から得られるものに気づいて。他人まかせな人とはちょっと距離を置いて接してみてください。
「カップの6」が「助言」で出た場合
「カップの6」が正位置
忘れていた過去の思い出にヒントがありそうです。まずは初心に帰って、本来自分の目指していたものは何だったのか思い返してみましょう。
どんな風に生きたら自分は満足なのか、もう一度、自分の心に問いかけてみることが必要です。また、家族や近しい人との時間をきちんととって大切にすることで何かが変わるかもしれません。
「カップの6」が逆位置
これまでのことに固執するのはやめて、新しい出会いに目を向けましょう。
また、自分と向き合うことで成長が得られる時です。何でも人のせいにするのはやめましょう。
自分自身で責任をとる姿勢が足りず、人に甘えてしまうことが多いのでは?起こったできごとを自分ごとに考えて、感傷的にならずに前を向いて進めば道は開けます。
まとめ
カップの6は、人の情感を表すカップの中でも、「現実と過去」「今の自分と過去の自分」を対比させるバランスを意味するカードです。
カードの中で花を喜ぶ子どもたちは、失ってしまった時間を懐かしく思い出し、あたたかな過去そのものを象徴しています。
カードの中の愛らしい子ども達は、自分がこれまで受けてきた愛や、そのままの自分でも充分愛されていた事実を表しているかのよう。
ぜひ、このカードがでたら、自分のここまでの軌跡を確認してみましょう。
過去を振り返るとき、あなたは何を感じますか?あたたかな気持ちになるか、ただ美化した思い出にすがるように感傷的になってしまうかでも、あなたの今の状況が浮き彫りになるでしょう。
大切なのは過去を振り返り、これからどう生かしていくか。幼いころのあなたみたいに、未来のあなたものびのびと過ごせていけますように。