ソードの9は、ベッドから起き上がり頭を抱えるひとの絵が示す通り、内面からの痛み、苦しみを表すカードです。
ベッドが立派な装飾であることから、そのひとは裕福な家庭に育つ人物でしょう。実際にはそんなにひどい状態ではなくても、心配事が頭の中でふくらんでいる状況といえます。
ひとりぼっちの暗い静かな夜だからこそ、心の奥に残る後悔や悲しみがどんどん増殖していくものですよね…。
絶望的な状況やこれ以上ないほどの苦悩をあらわしていますが、同時にそこからの脱却や夜明けをさす場合もあります。
決して希望のカードというわけではないですが、「本当にもうできることはないのか」と状況を冷静に見つめれば、幸せは気づいていないだけですぐそこにあると気づくことができるでしょう。
タロットカード 「ソードの9」の基本的な意味
ソードの9は、9の数字が影響して、ソードの力である「思考」や「知性」が最高に高まった状態になります。
考えすぎて頭がパンク状態になるなど、夜も眠れないほどに脳をフル回転させて苦悩してしまうことを表すカードです。
ベッドの上で顔を覆う人物は、悲しみや絶望に心がとらわれてしまっています。
現実の問題に対してだけではなく、他人の感情や行動、過去や未来など、自分の力ではどうしようもないことまで悶々と考えているのでしょう。
自分では変えられないことを嘆くのは、あまり建設的な話ではありません。
どうしてもその苦悩や絶望から離れられないとき、私たちは、悩む状態にこそメリットを感じている可能性があります。
解決できない悩みにハマり続けることで限られた時間を無駄にしないように、それは今考えるべき悩みなのか、自分の胸に問いかけてみましょう。
「ソードの9」のイメージをとらえるには?
ソードの9は、「あのとき自分がこうしていれば…」と夜中に鬱々と後悔してしまうような悩み多き人のイメージです。
周囲に人がいるときは明るく振舞えるけど、1人になったときにグッと暗闇に引き寄せられてしまう…そんな人ではないでしょうか。
芸能人でいうと、ナインティナインの岡村隆史さん、ユースケ・サンタマリアさんなどがあげられます。2人とも休息期間を経て、さらに自分らしくいられているようなところも、暗闇と夜明けの意味のどちらもあるソードの9にぴったりです。
アニメでは、ちびまる子ちゃんの藤木くん、進撃の巨人のライナーが浮かびます。
藤木くんは、周囲から「ひきょう」と言われ苦悩するキャラクター。嫌われ者の永沢くんとも仲良くできる優しい面もあるからこそ、ちょっとしたできごとで落ち込んでしまいます。
ライナーも、表向きは頼りになるリーダーでした。その表向きの印象と、自分の気持ちで板ばさみになるライナーが抱え続けていた苦悩や絶望ははかり知れません。
「ソードの9」と他のカードとの関係
同じくとてつもない悲しみを表すソードの3は、自分以外の何かが要因で、外からやってくる痛みをさします。
ソードの9は自分の内側から起こる苦悩です。
それは心配や後悔、罪悪感など、自分のお腹の底から湧き上がってくるので、どんなひとにも起こりうること。自分の中の恐れや不安に押しつぶされそうになっているさまを表します。
ソードの9と同じ意味を持つ大アルカナは月です。
月は、暗闇と夜の世界に見える幻影をあらわします。その満ち欠けを繰り返す様子から、不安定な精神世界の象徴です。
夜の闇に浮かぶ月は、ソードの9よりも、わたしたちに大きな影響を与えるでしょう。
「ソードの9」のキーワード
正位置
心配、罪悪感、苦悩、絶望、苦悶、自責、失敗、破局、不眠症、離別、ネガティブ
逆位置
被害妄想、偏見、理由のある苦しみ、うわさ、ゴシップ、自己憐憫、自己防衛
【恋愛】におけるソードの9の意味
正位置
恋愛に関して正位置で出た場合は、うまくいく状況にはないのではないかと心配する様子を意味します。
フリーの人は、今は恋愛ができる心境ではないのではないでしょうか。自分の中にある不安ごとに真っ向から向き合う時期なのかもしれません。
片思いの相手がいる人は、相手のこと、もしくは相手との関係性について勝手に悩んで苦しい状況でしょう。今、なかなか前に進めないひとは、大切な人を想う時間が失われる恐れが先行しているのかも。
交際中であれば、あまりうまくいってない状態なのではないでしょうか。しかし、決して危機的状況ではありません。あなたが相手の言動のささいな変化に勝手に過敏になって、妄想しているだけの可能性もあります。
復縁を希望している人は、あなたが思いつめれば思いつめるほど、相手との距離がひらいていきそうです。今の段階では復縁は難しいでしょう。
相手の気持ちを占う場合は、今お相手は他のことで精いっぱいな状況です。時間をおいてみた方がいいかも。
逆位置
恋愛に関して逆位置で出た場合は、悲劇のヒロインになってしまいがちな状況でしょう。「自分ってすごくかわいそう」と主張したところで現実は変わりません。
フリーの人は、なかなか恋愛関係に至らない理由を、自分のことは棚にあげて考えてしまっているのでは…。他人のせいにしていても何も始まりませんよ。
片思いの相手がいる人は、関係が進展できずもがいているかもしれませんね。相手からの発言ではなく、人づてやうわさ話に惑わされやすいときです。無意識に自分を守ろうとしているのかも。
交際中であれば、相手に対して疑いを持ってしまい、2人の間に溝を感じているのではないでしょうか。その疑いは、本当に現実に起こっていることかどうか、きちんと冷静に考える必要があります。
復縁を希望している人は、本質的な問題を解決しないまま復縁を希望しても、相手は首を縦にふらないでしょう。感情を振りかざして暴走モードになってないか自分を振り返ってみて。
相手の気持ちを占う場合は、あなたにあまりいい印象を抱いていないかもしれません。もしくは、恋愛にそもそも懐疑的になっているのでしょう。その気にさせるには時間がかかるでしょう。
【仕事】におけるソードの9の意味
正位置
仕事に関して占ったときに正位置で出た場合は、不安と緊張で精神的に精いっぱいな状態です。
忙しさも手伝ってノイローゼ気味なのではないでしょうか。夢の中でも仕事をするくらい、あなたの中で仕事に対する意識が大きくなっています。
ワーカホリックと言っても過言ではないでしょう。過去の失敗を引きずっているかもしれません。
逆位置
仕事に関して占ったときに逆位置で出た場合は、ネガティブな考えにとらわれて、業務に支障が出ているかもしれません。
誰かに足元をすくわれると思い込んだり、悪質なうわさに悩まされたり、周囲の人に対して疑心暗鬼なのではないでしょうか。
また、恥ずかしい失敗の記憶にとらわれている場合もあるでしょう。人は人、過去は過去と建設的に考えられると事態は好転しそうです。
【金運】におけるソードの9の意味
正位置
お金に関して正位置で出た場合は、自分1人では解決できないほどの損失が出て、危機的な状況でしょう。
まずは何が原因でこうなったのか、そうしたら解決できるのか、状況の整理が必要です。
ただ悶々と後悔しているだけでは何も始まりません。まずは1つずつ、解決に向けての行動をしていきましょう。
逆位置
お金に関して逆位置で出た場合は、損失の原因を人のせいにして当たり散らしている様子が見えます。
たとえ誰かのアドバイスによって危機的状況になっているとしても、最終的に判断したのはあなた自身です。
責任転嫁ばかりしていても、状況は何も変わらないので、解決に向けて建設的に考えるようにしましょう。
ソードの9が「過去」で出た場合
正位置
かつては、傷心して「この世の終わりだ」「消えてなくなりたい」と感じるほどの絶望的な状況と思っていたでしょう。
悲しみや苦しみで、夜も眠れないほどだったのではないでしょうか。
ただしそれは、事実ではなくあなた自身が感じる範囲での出来事でした。あなたが思っているほど、決して状況は悪くはなかったのです。
逆位置
かつて苦しい状況にあったのだとしたら、それは被害妄想にかられて、ネガティブな方向にしか考えられなかったからかもしれません。
事実だけで考えればそれほど大きな被害ではなくても、「自分が受けた傷は大きいんだ!」って思わず主張したくなるような、いてもたってもいられないような衝動があったでしょう。
ソードの9が「現在」で出た場合
正位置
今は、失ってしまったことへの悲しみや苦しみ、後悔にとらわれていますね。感情にとらわれ、そのことで頭がいっぱいになり、他のことに関心が受けられません。
どんなにつらい状況にもいつかは光がさすものです。
あなたの今の状況は、本当に失うばかりでしょうか?今あるものを数えてみましょう。
逆位置
自分はなんてかわいそう、この失敗は自分のせいではないなど、自分を守り他人を責めている状況でしょう。
自分に対しての哀れみの感情が強いため、現実を直視できません。
自分の視点だけでものごとを考えていると、過剰な防衛意識で、どんどん大げさになっていきます。独りよがりばかりでは周囲の信頼まで失ってしまいますよ。
ソードの9のが「未来」で出た場合
正位置
状況は転じて、本当に大切なものは何かに気づくでしょう。もしくは、今現実にあるものにフォーカスできる心境の変化があります。
夜明けがこない夜はありません。未来のあなたは、もう少しで目覚められるというところまできています。
逆位置
自分以外のことに責任転嫁し、必死になって「自分は悪くない」と証明しようとするでしょう。暴走気味なので注意が必要です。
このままでは、他者への信頼が薄れて、同時に周囲から理解してくれる人も減ってしまいます。
ソードの9が「障害/問題」で出た場合
正位置
これまでぞんざいに扱っていたものが「本当に自分にとって大切なもの」と気づくまでに時間がかかってしまったことが問題の原因です。
「なんでもっと早くに大切だと気づかなかったのだろう…」と後悔が募ります。
また、勝手に感じる罪の意識や自己嫌悪にとらわれていることも障害として考えられるでしょう。
逆位置
他人を出し抜きたい気持ちが大きいこと、自分を正当化していることが問題の原因として考えられます。自分中心の考え方に偏っていませんか?
また、あなたの中にある悲しみや苦しみから目をそらし、感情を封じ込めようとしていることも、障害として考えられるでしょう。
ソードの9が「結果」で出た場合
正位置
最終的には、「限界」が訪れます。問題を抱えすぎて、誰にも吐き出せず、体調崩してしまう可能性もあります。
このままでは引き続き過去にとらわれ、自分を責め続けてしまい、つらい未来が現実になってしまうかもしれません。
逆位置
結果として、問題の本質に向き合えないでしょう。自分を正当化したり、他人のせいにしたりする衝動が止められません。重要なのは、自分の正当化ではないということはわかっているはずなのですが…。
また、現実に起こった問題すら「はじめからなかったことにしよう」「自分は何もかかわりがない」と、逃げたくなる気持ちも出てくるでしょう。
ソードの9が「助言」で出た場合
正位置
後悔という妄想の中にい続けないで、現実的に行動を起こしましょう。
失ったものや足りないものにとらわれないで、今ある幸せがすぐそこにあることに気づいてくださいね。
もう充分に自分と向き合い行動している方にとっては、つらい時期はもうすぐ終わりを迎えます。もう少しの辛抱ですよ。
逆位置
あなたが今とらわれている感情は、問題の本質とズレていませんか?
問題点はどこにあるのか、冷静な目で今ある現実と向き合ってみましょう。感情的にならないで、1つ1つ問題を見つめて片づけていくこと。
ここで逃げてしまっても、また結局同じような課題が障害となってやってきます。あなたにとって重要な課題なのです。
まとめ
ソードの9は心配や後悔、罪悪感など、自分の内側から起こる悲しみのカードです。
このカードが出たときは、自分を責める気持ちが強く出すぎて、自分を自分で痛めつけているような感じかも。「この世の終わりだ」というレベルで絶望しているのですが、でも実際にはそれほど悪い状況ではありません。
夜に寂しくてつらくて泣いていたけど、朝になってみたら「なんであそこまで落ちていたのだろう…」とケロッとすることもありますよね。
主観で見れば傷つきやすくて、「本当につらい」と思う状況の中であっても、一歩ひいてみることで絶望から浮上できるきっかけにできます。
人間は、自分が思っているよりもしぶとい生き物です。ちゃんと這い上がれるようにできているので、あなたも大丈夫ですよ。