カードの中央に描かれているのは、凛とした中性的な女性の裁判官です。左手に持つ天秤で罪の重さをはかり、右手に持つ剣で裁きを下すと言われています。
背後の2本の柱やイスはすべて石こうづくりで、その中央にすわる裁判官はかたよりのないフェアな精神の持ち主であることをあらわしているのです。
「正義」の位置づけと基本的な読み方
このカードは、あくまで公正で中立に物事を見比べ、感情にふりまわされず、原因と結果を客観的に見て判断できる冷静さを示しています。
やましい行いには断罪を下し、不当な扱いを受けているなら救いの手になるカードです。
位置別の「正義」の読み方
「正義」のカードが表すのは、物事の中立でいられるかどうかの精神のバランスです。
心のバランスがとれている状態を正位置が、バランスを崩している状態を逆位置が示しています。
「正義」が「過去」で出た場合
正位置
運や情だけでは進めない状況でした。論理的な思考とモラルある行動、そして相手の心中を察して周囲と接していたか、総合的な人間力が問われていたといえます。
しっかりした地盤ができていないと苦しい時期だったかもしれません。自分の未熟さゆえだったと気づくことが大切です。
「正義」が逆位置
かつては、うまくいかない現状に苦労していました。たとえば、自分でやましい心があって泣き落としを使って許してもらおうとしたり、不平等な扱いを受けて「あの人は間違ってる!」と訴えたり、周囲との格差を感じ不満に感じる場面が多くあったでしょう。
「正義」が「現在」で出た場合
「正義」が正位置
過去の自分がどのように物事に取り組んできたか結果がでそうです。
まじめにやってきていれば相応の評価がされるし、不正をおかしていれば罰を受けることになるでしょう。
人の情ははさまないで、その事実だけが評価されるまっとうな結果が期待できます。
「正義」が逆位置
感情や個人的な思惑で、中立的な判断ができない状況です。過去の不正は過剰に糾弾されてしまいます。不正を行っていない場合も、不平等な扱いを受けることになりかねません。常識が通用する流れではなく、一筋縄ではいかない苦労しそうな運気です。
「正義」が「未来」で出た場合
正位置
現実に立ち向かって行ったり、自分が正しいと思う道を進んで行ったり、意欲的に行動にうつしていくと、それにつられてしだいに運気が上昇していくでしょう。
どこまでがんばって行けばいいか先が見えずに不安に思う時もあるかもしれませんが、努力した分の対価は必ず返ってきます。とにかく前に進んでいきましょう。
逆位置
かろうじてギリギリで保っていた均衡が崩れる出来事がありそうです。
一方的に損害を被ったり、搾取されてしまったり不利になってしまうかもしれません。
今までつい出来心でしてしまったズルやごまかしが、その時になって公に発覚されたり、その分のツケを払うことになったりも考えられます。
「正義」が「障害/問題」で出た場合
正位置
白黒はっきりさせないと気が済まないといった態度、正しさだけを基準にした判断をしてしまいがちです。
正論だけでは人を説得できません。そのままでいると厳格さが目立ってしまい、おもしろみに欠けると周囲から距離を置かれてしまうでしょう。
逆位置
自分に都合の良い解釈をして、うがった見方しかできなくなっています。
ひとりよがりの行動が障害、問題に。
もしくは、周囲や環境のせいにして不平不満ばかりで行動に移せないことが問題の原因となっていそうです。
「正義」が「結果」で出た場合
正位置
恋愛面では、対等な恋人関係でいられそうです。感情まかせに相手にぶつかっていくのではなく、お互いに理性的に今後の関係を話し合っていけるでしょう。
出逢いを求めてる人は、話し合いを重ねられる相手を選ぶことも大事です。
仕事面では、正当な評価や報酬が得られます。結果をきちんと出せる運気です。
逆位置
恋愛感情が盛り上がりづらく、打算的な交際やキープする関係になってしまうかもしれません。
相手のことを値踏みするような、感情よりも頭で考える関係という淡々とした印象です。
都合のいい人と思われたり、利用されたりしないように気をつけて。
仕事では、不当な報酬と待遇で困った状況に陥ってしまいそう。
追い込まれて人の手柄をねらうようなことはやめて。
「正義」が「助言/対策」で出た場合
正位置
まずは問題を整理する必要があります。その後、これからの行動指針をできるだけ建設的に考えましょう。
感情的にならないで、事実関係だけを考えるのがポイントです。
常識の範囲内で、モラルを意識してことに当たってください。
逆位置
現実をきちんと見つめて、不利な状況にいることを自覚しましょう。
自分に都合よく解釈するのはよくないです。泣き寝入りするのはもっとダメ。
今回バランスが崩れたことで変化を起こせます。もう一度、新たなバランスをとる落としどころを探るチャンスです。
まとめ
「正義」のカードは、正しさがいい意味で使われたり、その逆で使われたりします。
善と悪、正解、不正解では片づけられない、世の中の難しい側面を教えてくれるカードです。
やたらと白黒つけたがるのは、自分都合の考えということも自戒として胸にとめておきましょう。
この機会に、周囲との関係をフェアな目線で見ることができているか、自分の内側のバランスと器の成熟度を確認できるきっかけになりますように。