中央には腕を組んで座る男性と、その背後には並べられた9つのカップが描かれています。男性の表情はとても満足そうで、ゆったり深く座る様子は堂々とした風格も感じられるでしょう。
また、カップが表すのは、精神的・物質的な喜びです。成功や栄誉を得て、誇らしく感じ満足感に満たされている様子を表しています。
カップの9は「ウィッシュカード」とも呼ばれるカードです。このカードが出たときには「願いが叶う」「望むものを手にする」といわれています。
夢の実現はもうすぐそこまできているでしょう。ただし、手ばなしに喜ぶには注意が必要です。油断は禁物。努力を続けることを忘れずに、安易に見せびらかしたり、自慢したりするのはやめましょう。
「カップの9」の位置づけと基本的な読み方
カップの9では、望んだものを手にしてそれを誇らしく感じられる様が描かれています。カップの8で現状に終わりを迎え次に進んだことで得られる幸運をあらわすカードです。
この幸運は、「棚からぼたもち」というような自分では予想もしていなかったラッキーでしょう。そしてその幸せは、誰かとわかちあうものではなく、自分1人で完結する類の幸せです。
位置別の「カップの9」の読み方
欲しいものや望んだものを手に入れた後の心のありようを示すカードです。すべての夢が叶うとき、どのような思いが胸に満ちるか正位置、逆位置で見ていきましょう。
正位置では心が満たされる様子、逆位置では得たものの大きさに判断を見誤る様子が読み取れます。
「カップの9」が「過去」で出た場合
「カップの9」が正位置
喜びに満ちあふれ、最高の幸せを感じていたでしょう。願いがかなったり、欲しいものが手に入ったり、運気は最高潮だと実感できていました。
もし、今振り返ってそうと思えないならば、やっと手にした望んでいたものを得る責任感や緊張感、また、得ることでついてきてしまうデメリットに注目してしまったせいかもしれません。
願いが叶ったのに、叶ったとたん怖気づいてしまう心の弱さがあったのではないでしょうか。
「カップの9」が逆位置
かつては、手に入れた後の虚しさに呆然としていたのではないでしょうか。ぽっかりと穴が開いたように放心して、すべてのことに投げやりになっていたかもしれません。
もしくは、もう充分手に入っているのにまだまだ足りないと欲望にとらわれた状態にあったのかも。自分への奢りや傲慢さが招いていたのになかなか気づけなかったでしょう。
「カップの9」が「現在」で出た場合
「カップの9」が正位置
願いが叶うまであと少しというところまできています。ずっと望んでいたものや心から欲しいものが手に入る運気です。
願いがかなえられる自分を誇らしく感じて、また、自分に満足できるときでしょう。目の前の幸福を素直に喜び、今の現状がこの上のない幸せだと実感できます。
どちらかというと、自分1人で満足感が最高潮に達している様子です。
「カップの9」が逆位置
望むものを手に入れて、「自分ってすごい!さすが私!」と過剰に自画自賛するなど、調子にのってしまうそうです。
もう充分なものを手に入れているのに、持て余すほどの利益に執着して「まだまだもっと手に入れたい」とさらなる欲に目がくらむでしょう。
もしくは、あんなに欲しがっていたのに、急にすべてがむなしく感じたり、うんざりしてしまうかもしれません。
「カップの9」が「未来」で出た場合
「カップの9」が正位置
近い将来、経済的な安定を得られるでしょう。収入や利益が増えて、金銭的にも精神的にもゆとりができます。
贅沢を存分に楽しみ、自分は恵まれた環境にいると感じて充実感がアップ。
思わぬ幸運で願いが叶ったようなものですが、「自分のちからで成し遂げた」「自分のがんばりがあったからこそ」という気持ちが少なからずあり、喜びにひたっているでしょう。
「カップの9」が逆位置
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快楽や目先の利益、贅沢などにおぼれて現実が見えなくなってしまうでしょう。自分勝手な発言がポロっと出てしまい、周囲からの評判は下がってしまうかもしれません。
得たものが大きすぎて、本質的な幸せを見失ってしまいます。なにをしても心に響かない、空虚な状態に陥ってしまうことも。
また、利益を得たことによって金銭トラブルにもあいかねないでしょう。
「カップの9」が「障害/問題」で出た場合
「カップの9」が正位置
何かを得た代償をはらわなくてはいけないでしょう。その代償は、直接的に損をするというものではなくて、得た代わりに果たさなければならない責任をとることや、デメリットを大きく感じることかもしれません。
そうなってから、本当に願っていたものだったんだろうか…と失望感におそわれることも。もしくは、成果をあげられた自分に酔い、自画自賛していたことが問題の原因かもしれません。
「カップの9」が逆位置
お金や利益、メリットに固執しすぎて考え方が偏ってしまったことが問題の原因としてあげられるでしょう。自分を過信した言動、傲慢な考えもトラブルを招いていました。
欲しいものを手に入れなければ気が済まない、歯止めの効かない衝動や欲望に身をゆだねていませんでしたか?
今ある幸せに気づかない状態になっているのだとしたら、一度立ち止まって。このまま突き進むのはよくないでしょう。
(5)「カップの9」が「結果」で出た場合
「カップの9」が正位置
片思いをしていたり、長い間交際してきたりした人は、やっと思いが実を結ぶでしょう。あなたの望んでいた幸せが得られます。
がんばりましたね。心で通じ合える関係、心身ともに相性の良さを感じます。理想的な相手といえるでしょう。また、出会いを求めてる人は、経済的にも安定した人とのご縁があります。仕事面でも、長年の計画が成功し、満足いく結果や報酬が得られるでしょう。成し遂げた達成感を感じられます。
「カップの9」が逆位置
これまでの自分の想いに反して、「この恋は偽りの恋だった」とがっかりするようなできごとがあるかもしれません。
「このままではいけない…」と感じていながらも、いびつで歪んだ愛情に身をゆだねてしまいます。
身体だけの関係になってしまったり、気持ちのともなわない惰性の付き合いになったりしてしまうでしょう。
仕事面では、利益を優先した経営をして、大きな損失を被るかもしれません。負債や借金を抱える場合もあります。
「カップの9」が「助言」で出た場合
「カップの9」が正位置
信じていれば願いは叶えられるでしょう。今はまだ手が届かないように感じるかもしれないですが、このカードは「ウィッシュカード」。望みは叶うでしょう。
自分にごほうびを設定しておくと、うまく波にのれる運気です。小さなものでも大きなものでも、何かごほうびを考えてみて。また、気をつけて欲しいのは、得たものを見せびらかして自慢すること。傲慢で自分勝手な印象がついてしまいます。
「カップの9」が逆位置
あなたの心の中にお金や資産だけでは満たされないものがあるはずです。その満たされないものに注目してください。
自分にとって本当に大切なもの、本当の幸せは何なのかよく考えてみましょう。小さな幸せに気づけない状態では、どんなに大金をもらっても不満ばかりの生活になってしまいます。
現時点で手に入れているもので満足する謙虚さを取り戻して。
まとめ
カップの9は、望むものを手にしたときの心のありかたを示すカードです。純粋に喜びを味わうのか、貪欲な思いに支配されて傲慢な態度になるのか、正位置・逆位置で読み取れます。
別名は「ウィッシュカード」。思いもしない場面で願いが叶い、幸福に包まれることをあらわしています。念願の目標や夢を手に入れられるでしょう。
ただし逆位置では、せっかく望みが叶っても贅沢に溺れて幸せを見失ってしまうことを暗示しています。目の前に差し出された幸福を、謙虚に喜べるような姿勢でいられることが大切です。
おいしい料理も食べすぎてしまっては、お腹を壊してしまいます。人の幸せも腹八分目くらいがちょうどいいのかもしれませんね。