カードの中央には、大きな月が描かれています。月明りに照らされているのは犬と狼。
月を見上げ、不穏なものを感じ取って吠えているように見えます。
ザリガニも水の中から這い上がり、同じく月を見上げているその様子は、心に隠し持っている不安が表面に出てき始めていることを表しているのでしょう。
犬と狼の間から細く長い道が続いている様子は、あいまいな状況でも進まなければいけない現実を暗示しているかのようです。
古代エジプトとの関連として、ザリガニが入っている水の部分はナイルという説があります。
「月(ムーン)」の位置づけと基本的な読み方
神秘的な月夜はものごとの輪郭がはっきりしない状態を暗示しています。
何が正しいのか、何が現実といえるのかわからない、あいまいな状況を表すカードです。
また、時間が経つにつれて満ち欠けする様子から、感情の不安定さも表しています。
位置別の「月(ムーン)」の読み方
月明りに照らされた風景はどこか幻想的で、大事なことを覆い隠しているようなミステリアスな雰囲気をかもし出しています。位置によってどのような意味になるか、1つずつみていきましょう。
「月」が「過去」で出た場合
「月」が正位置
かつては、移ろいやすく不安定で落ち着かない流れでした。漠然とした不安に支配されて、先の見えない心配ごとに手いっぱいになり、心もとない気持ちだったのではないでしょうか。
自分が見たいものだけを見て、きちんと現実を見れていなかったことが問題だったかもしれません。
「月」が逆位置
少し前までは、それまでモヤモヤしていた視界がクリアになって、急に現実が見えてきたような状況でした。
徐々に悩みや不安が浮き彫りになり、進むべき道が見えていったのでは。相手の裏切りや隠し事を見抜きながら、気づかないふりをしてやり過ごすこともあったかもしれません。
「月」が「現在」で出た場合
「月」が正位置
自分でもよくわからないモヤモヤを抱えている状態です。
漠然とした不安感があるのは、まだ本質がはっきりと見えていないからかもしれません。
移ろいやすくどうにも不安定な運気なので、あなたのことを騙そうと近づいてくる人もいるでしょう。注意してくださいね。
「月」が逆位置
霧が晴れるように悩みや不安が解消されていくでしょう。
いろいろな意味で目覚めるときです。目の前が急にクリアになって、今まで見ようとしなかった現実を目の当たりにするかもしれません。
もしくは、今までいた場所が急にくたびれて見えることも考えられます。
「月」が「未来」で出た場合
「月」が正位置
すべてが漠然としていて、見通しがたたない状況になってしまうでしょう。
不安から行動を起こしてしまうとトラブルになるかも。後々めんどうなことに発展しそうなので気をつけてください。
張りめぐらされていた嘘や罠がきっかけで、隠れた敵の存在を知ることになるかもしれません。
「月」が逆位置
あいまいでとらえどころのなかった話が具体的になって、徐々に次のステージが見えてきます。
今まで身近だったなにかに幻滅するような出来事があるものの、「事前にわかってよかった」と前向きに捉えられるでしょう。
「月」が「障害/問題」で出た場合
「月」が正位置
相手の行動や心理を過剰に深読みしていませんか?現実をきちんと見れていなかったり、把握しきれない事実があったりすることが問題の原因かもしれません。
また、誰かが意図的に情報を操作して事実をまげている可能性もあります。
「月」が逆位置
嘘や偽りが次々と明らかになったり、取り繕ってきたものからボロが出たりすることが問題となっていそうです。
そもそも、隠しきれない真実を抱えていたのも無理があったのでしょう。
急に冷静になって、自分の実力が伴わないのでは…と勢いをなくすことも障害となるかもしれません。
「月」が「結果」で出た場合
「月」が正位置
ロマンチックでムードのある雰囲気にごまかされて、相手の不誠実な態度に気づけないかもしれません。
その結果、世間的にゆるされない関係になってしまいそうです。不倫、禁断の恋、不適切な関係には注意しましょう。
また、ライバルとは思っていなかった相手に出し抜かれてしまうことも考えられます。
「月」が逆位置
これまでの恋心が急に冷めたり、相手の本当の姿に気づいたり、目が覚めるような体験をしそうです。
偽りに気づき、お互いに心からの話をできる時でしょう。
すれ違っていた気持ちも、今ならば分かり合えるかも。仕事では、冷静さを取り戻して、問題の原因をみつめ、理性的に解決していけるでしょう。
「月」が「助言/対策」で出た場合
「月」が正位置
今は問題となっていることには深刻に取り合わず、いったん距離を置きましょう。
場合によっては、うまくかわしたり、見て見ぬふりをしたり、臨機応変な行動をすることが必要です。
ライバルの存在や、いつのまにか張りめぐらされた罠がわからないうちは、誰かに手の内を明かすのは危険と心得て。
「月」が逆位置
あなたの本当に望んでいるものは何か、自分の心に問いかけてみましょう。現実と妄想を切り離して考えることがポイントになります。
勝手な思い込みからの不安や疑いは、それほど重要な問題ではありません。自分の力で振り切って、前を向いて進んでいきましょう。
まとめ
自分が感じているモヤモヤは何なのか、問題の本質は一体どこにあるのか、考えても考えても見えてこないかもしれません。
大事なことがあいまいに覆い隠されてしまっています。
「月」は太陽の光をうつしだす鏡のような存在。自ら発光しているわけではありません。
太陽の強い光とは違って、月明りは世界をおぼろげに照らします。その様子は、心に隠している不安や、幻影の中に隠された真実を暗示しているのでしょう。